~第2回(5月22日) 座談“無駄と無作為”~

2015年05月23日 17:17
5月22日(金)座談“無駄と無作為”第2回を開催しました。
 
今回のゲストは、建築家の中西義照さん。藤平寧さんのお宅を造られたこともあり、和気あいあいとした雰囲気の会となりました。
 
建築家と陶芸家のしごとは、対極にあるといえます。建築家は依頼者の要望によって建物を作るのに対して、陶芸家はそうではないからです。
したがって、中西さんのしごとには“無駄、無作為”は少ない。依頼者の希望や予算、そして法律的・社会的規制のなかで最大限良いしごとをするのだといいます。

 

藤平さんの場合は、用途としての良い物を作っているだけでは詰る。無駄な要素、つまり造形的なしごとも一方でやらないと精神のバランスがとれないのだそうです。
 
お二人の立場で“無駄と無作為”が語られたあと、参加者から特に“無駄”への思いが自由に発せられました。
「“無駄”をあえて作品に取り入れるということ
は、“余裕”ということを提案しているのだろう」
「無駄をそぎ落としていくこれからの社会では、“素材”が重要視されるようになっていくのではないか」
 
「生活や空間に無駄があったほうが居心地がよい」
「余裕のない画一的な現代社会。無駄の多い“豊かな時代”を知っている私
たちの世代はまだ幸せだが、無駄を善しとしない時代に育つ人たちの将来が心配だ」等々。
 
「左右」での一見“無駄な時間”に思えるこの会だけれど、これからも大切にしていこうという空気がたかまるなか閉会となりました。
 
中西さん「無駄をあそび、余裕を持つことから、新しいものが生まれるのではないでしょうか」
藤平さん「無駄は時間を使うこと。今日は、無駄をみなさんと共有できてよかったです」
 
今回の座談も前回と同様、結論を出そうとするものではありません。それぞれの思いや考えを話し、共感したり発見したりしながら、明日からの生活につなげていけたらいいなと思っています。
これからも、折に触れてこのような機会を持ちたいと考えていますので、またぜひご参加くださいませ。(文責 Chiz♪)

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