~第1回(5月17日) 座談“無駄と無作為”~

2015年05月21日 12:47

●2015年5月17日午後2時~

若王子倶楽部は5月17日、文人、田能村直人が哲学の道の一端に建てた蔵をサロンに約10数名の参加者が集い、藤平寧さんと一緒にゲストの高田公理さん(武庫川女子大学名誉教授 比較文化論)を招いて“無駄”と“無作為”をテーマに座談を催しました。

陶芸家の父、藤平伸氏の影響を受けながらも自然体で作陶を続けて26年。同倶楽部のギャラリーで開いている展覧会「藤平寧の世界~無作為のあそび~」の関連企画として行ったものです。

作品は無駄というよりは、遊び心で無心に手びねりで生み出された、あるがままの作品は見る人に不思議さ、面白さなどが感じられ、癒されるという印象を受けた人が多かったようです。座談のテーマが“無駄”“無作為”という哲学的な意味合いがありましたが、参加者それぞれの思いを発言され盛り上がりました。

藤平さんは陶芸の道を歩んでいる時、突然、気の抜けた状態に陥り、そこから無駄づくりの作品を思い立ったそうです。作ってみると、無駄と思って作った作品が面白いということに気づいた。自身の中では無駄と無作為はまったく違う感覚で、無作為に作ったものに気負いがないように思うそうです。

高田さんは藤平さんの作品を見られて、ダイナミックさを感じたと話されました。無駄と無作為は違うもので、りょうしゃにある種の緊張感があるのではないか。無駄なことをするのは人間だけですと。

参加者はクリエイターが多かったですが、それぞれの立場で真剣に考え、議論に加わっておられ、有意義なひと時を過ごされました。(文責:岡田清治)

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